19ears

暮らしを楽しむ人たち

▼いつも目標に向かって走っている人へ、問う

いつだって有意義な毎日にしたい、ずっとずっとそう思って生きてきた気がする。時間を無駄にしたくない、何か自分のタメになることをしないとって。有意義なことってのは、私の場合主に、勉強だったり、読書だったり、部活だったり、楽器の練習だったりした。その時間たちも、もちろん楽しかった。勉強も読書も部活も楽器も、全部自分の好きなことだから。

だけど、それ以外のことをしている時の、たまにふつふつと湧いてくる焦りは何だ?こんなことしてていいのかな?この間にも周りは自分を置いて進んでいるんじゃ…という見えないものへの漠然とした不安感。いや、その不安こそが、いつも自分を前に進めてくれたのだけど、そんな努力家なあなたにこそ、あえて問いたい。有意義じゃない時間って何?タメにならない時間って何よ?

他の人が評価してくれなくても、将来の自分に繋がらなくても、今の自分が楽しいなら、それだけで最高じゃないの。たまには努力と他人を脇に置いて、自分のためだけに、このささやかな人生を楽しもう。そんなわけで前置きが長くなりましたが、以下、独断と偏見(しかもごちゃまぜ)で、いろんな角度から人生を楽しむ人たちを紹介したく。

▼スズキナオさん

お酒関係のライターさん。お酒を飲めそうな場所でキャンプチェアを広げてひっそり飲むとか、昔ながらのお店を愛する感じとか。この人の書いている、【深夜バスに100回くらい乗って分かったこと】という本のタイトルからして、効率化、合理化を求める現代に思いっきり逆行していて、生きるってこういうことじゃんってなる。

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▼OKUDAIRA BASEさん

この方は丁寧な暮らし系。自分で何でも作って、大切に食べたり使ったり。料理に何時間もかけたり、ランニングを毎日してたりとか。生活に自然と滲み出る真面目なストイックさと、本当にそのモノやコトが好きなんだろうなーっていうバランスが素敵。編集が上手なので、映画みたいな映像美もありますね。

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▼藤井21チャンネルさん

この方は一人飲み歩き系(たまに家飲み)YouTuber。店主さんと沢山喋るわけではなく、一人でじっくり美味しいお酒と料理を楽しみ、なんだか一緒に飲んでる気になります。赤ちょうちんっぽいお店ではしご酒したり、家で美味しいおつまみを自作したり。沢山のお金より、風呂あがりの一杯のお酒が幸せよ。

 

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▼大原扁理さん

年収100万以下で隠居生活をしている方。今はどうなのか分からないけど、自分に必要な収入のゾーンを見つけて、それに合わせて最低限働くスタイルで暮らしてる。さすがにここまで徹底出来ないけど、お金よりも時間を大事に、今あるものを楽しむ感じが好きです。

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清野とおるさん

漫画【東京都北区赤羽】を書いている漫画家さん。北区赤羽も大好きだけど、【そのおこだわり、俺にもくれよ!】も好き。一般人のささやかな日常のこだわりを大げさに紹介していく漫画なのですが、思わず真似したくなる。幸せの灯台下暗し。

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吉本浩二さん

限られたお小遣いを毎月どう使うかに全神経を注ぐ漫画家さんの実体験。この方の知り合いのサラリーマンでお小遣い制の人が、僕はこんな使い方してますよ、みたいな話も出てくるので非常に面白い。お菓子コーナーの前で真剣に悩む感じとか、愛おしい…。

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群ようこさん

また大分毛色が違いますが、エッセイや短編的な作品が多い作家さん。私の日常好きはこの人から始まったかもしれない。さらっと読めて重くなく、ああわかるなあってじんわりきて、気持ち良い。

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池澤夏樹さん

理系っぽいフレーズや物の見方が出てきて、なのにすごくやさしい哲学書みたい。でも話自体は穏やかで、平凡の中に少しずつ出来事が始まっていく、みたいな。音楽を聴いているように読める小説というのか、不思議な透明感があって凄く好き。こんな目線で日常を見てみたいと思う。

impala.jp

 

▼ヒコさん

青春ゾンビというポップカルチャーを取り上げたブログを書いている方のnote。この人の書く日記が好き。お気に入りのお店でご飯を食べる感じとか、好きな本を心ゆくまで読んでいる感じとか、そこへの自分の考えの乗せ方や馳せ方が軽快で良い。最近はお仕事がお忙しいのか、あまり更新がないみたいですが。地味に結構影響を受けているなあと思います。

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▼やまと尼寺 精進日記

NHKEテレで放送されていた尼寺のドキュメンタリー。精進料理とそれにまつわる尼寺の日常って感じなのですが、基本的に女性しか出てこないけど、登場人物の関係性がサバサバしていて小気味良いのと、食の楽しみの飽くなき探求感が好き。食って今も昔も、ずっと人間にとってエンタメだよなあと思わされる。お寺なのでそれはそうだと思うのですが、物を大事にしている感じも素敵。やまと尼寺を応援しているYouTubeを貼っておく。

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▼まとめ

目標がないと不安になるし、何かを目指していない自分は嫌だけど、でも同時に、足るを知る、みたいなものを日常の中に探している気がします。二律背反、アンビバレンツなんですけど、それが心地良いというか。それは同時にお金と時間の問題でもある。どっちを取るか、どっちも取るか?大学の頃から人生はバランスって思っていたけど、それはあながち間違っていなかったなあって、改めて思う。

で、こうして並べて見ると、食って実は自分の中で日常感高めの行為なのかも。何かを食べることって毎日のことだから、それを丁寧に楽しんでいる人に惹かれている気がする。お金とか、ある種の制限がある中で何かを楽しむ、っていうのも人間くさくて好きなんだと思う。